夜の柩

語るに落ちる

寄る辺のない夜に

 

良い意味で雑に扱える存在って大事だな、と思う。そこには信頼関係が気づかれていることが大前提だけど。

酔って管巻いて意味不明な言葉の羅列を並べて絡んでみたり、お互いの悪戯をてきとうにあしらいながら罠に引っ掛かったり引っ掛けてみたり、食べ物でも何でも自分の苦手なものを押し付けあったり、約束していても気分次第で直前で行くのやーめたはお互い様、とか。

それは面倒臭いといいつつ明け方まで付き合う介抱や、あしらう癖に決して無視はしない律儀さや、10回に1回はお互いの好きなものを渡したり、お互いの状況や性質を知っているからこその配慮とか。そういう根っこにあるものを知っているからこその扱いといえる訳で。単なるわがままとは全く別物だったりする。遠慮はないけど一匙の気遣い。お互いへの甘えの許容。傍から見ると判別に難しいのかもしれないけど、事実は本人たちがわかっていればいい。

そんなことを、電話越しに管巻いてる声を聞きながら思った。肌寒いある夜。