夜の柩

語るに落ちる

夜中の疑問

 
夜中に目が覚めたら煙草を吸う。眠れなくなった夜の慰めに一本、二本。電気を落とした暗い部屋に響くのは加湿器のコポコポ……という音と外で車が通り過ぎる音。それに混ざってジジ、と煙草の燃える音も混ざる。365日24時間ずっと何かしらの生活音がするんだなぁと思うと無音な場所はほぼないのかもしれない。

考えてみれば夜も真っ暗とはいえない色をしているから、完全な闇や無音というのは日常で感じられるものではなく、余程特殊な状況(山奥とか)じゃない限り味わえないのかもしれない。できればあまり味わいたくない。

少し前まで飴玉やアイスで誤魔化されていた遣る瀬無さが、今では煙草じゃないと駄目になってしまった。こうやって少しずつ蓄積されていくものを、他には何で慰めよう。もう少し健康的で健全な方法で落ち着かせられたらいいのだけど、見つかりそうにない。