夜の柩

語るに落ちる

甘いハッタリ

 
疲れた目を見ながら間の悪い嘘を聞いて困ったように笑いながら甘ったるくてすぐに溶けて消えるような夢を話してやるせない時間を煙草の煙と一緒に噛み潰した後に砂糖とミルクを無駄に多く入れたコーヒーで口にするか迷った言葉を喉の奥へ流し込む夜。

こんな時に「遠くへ行きませんか」と誘いたくなる。同じ匂いがする者同士で心中ごっこに憧れている。ただ寄り添って眠る心地良さと誤魔化したいさみしさをまるごと抱き締められたらそれでいいのに。