夜の柩

語るに落ちる

新・オーブンレンジ

 
新しいオーブンレンジが届いた。今まで使っていたものより少し小さくてパールがかった白。とても綺麗な子だと思う。初めて使った感想は「めちゃくちゃお知らせ音大きい」と「きみ、大きさに反して重いな!?」だった。持ち上げようとすると腰がやられそうになり、これはキッチン用に新調した家具が届くまで床置きしておこうと結論。家具は明日届く予定なので設置を早めに終わらせられることにほっとしている。

今まで使っていたオーブンレンジは掃除した。できるだけ綺麗にして──匂いはなかなか取れないし多少緩和された程度だけど──新・オーブンレンジが入っていた箱へ詰めておいた。発泡スチロールはさすがにサイズが合わないから他の緩衝材を使用。布巾で拭いたり、綿棒で埃や隙間のゴミを取り除きながら日焼けしてしまった天板を眺めて、長いこと頑張ってくれたことに改めて感謝したりするなどした。

一人暮らしを始めてからずっと使っていたものだ。これを除くと、他は洗濯機とIHコンロとテレビが我が家の長寿家電となる。オーブンレンジの次に酷使しているのが洗濯機、次いでIHコンロ──小さいガスコンロを主にしているので実はそれほど使用していない──テレビは最近になってユーチューブを繋げられることに気づいたのでよくつけるようになった。こうして考えると毎日ほぼ使っていたオーブンレンジに感慨深いものを感じる。約九年。そりゃあ、ぼくはもううごけないよパトラッシュ……となるのも無理はない。

廃棄するのも忍びなくて、買い取りと引き取りをお願いした。どう処理されるかわからないけど、使えそうな部品があるなら使ってほしいし、取り替えてどうにかなるならまたどこかの家で頑張ってくれるかもしれないし。物に特別深い愛着がある訳ではないけど、上手く循環してくれるといいな、と思う。