夜の柩

語るに落ちる

2022-10-10から1日間の記事一覧

満月の夜に不在の椅子を見つめる

伝える相手を持たずにいる言葉たちを呑み込むたびに、腹の中が少しずつ焼け爛れていく気がした。抽斗から取り出した便箋に一頻り綴ってはインクで塗り潰していく作業を繰り返す。書き損じた一枚がどんどん増えていく。床に散らかるのは原型を留めずにぐしゃ…