夜の柩

語るに落ちる

形のないものに価値をみる

 

何者にもなれないなら何者にもならなくていい。『特別な何者』かに理想を詰め込み過ぎている。その理想以外を認められないなら地獄なんじゃないのかなって思うけど、『特別な何者』かになりたくて、あるいはそういう称号のようなものがほしくて躍起になるんだろう。特別という言葉に弱いからどうしても求めてしまうのかもしれない。手に入ったら飽きてしまうくせに無い物ねだりが得意なようで。

周りを見れば誰もが悪者にはなりたくないと思っている。同時に、どんな形であれ他の誰かよりもちょっとだけしあわせになりたくて一番や特別をほしがっている。比較対象が多すぎるせいで。比較せずにはいられなくて。ほんのちょっと、という言葉で本音を濁している。